雑記だよ

日記です。

プロボクシング山中慎介>無念の引退

3月1日(木)両国国技館で行われたWBC世界バンタム級タイトルマッチににおいて、ランキング1位の山中慎介選手がTKO負けし、王座返り咲きはなりませんでした。

 

因縁の対決

相手のルイス・ネリ(メキシコ)とは昨年8月にも対戦して、山中選手が4ラウンドTKO負け。長期間保持してきたタイトルを手放してしまいました。勝てば具志堅用高が持つ日本人最多の連続王座防衛記録(13回)に並ぶところでしたから、日本中に大きな失望を与えた一戦でした。


今回がそのリターンマッチでしたが・・・・・残念な結果です。

 

ネリ選手の疑惑と醜態

それにしても、ネリ選手のスポーツマンシップは酷いものです。非難を浴びても仕方が
ありません。23歳と若く、26戦全勝、20KOの成績は抜群で、チャンピオンにふさわしいものですが・・・・山中選手との絡みでは、ボクシングというスポーツを汚したような気さえします。


そもそもこの再戦が実現したのは、試合に先立って行われたドーピング検査でネリの検体から禁止薬物(ジルパテロール)の陽性反応が出たからです。結局ネリが故意に禁止薬物を摂取した確証が得られなかったため、WBCは両者に再戦を命じたものでした。


これ自体みっともない話ですが、それはさておき山中陣営にとってはリベンジの大きなチャンスでした。


リターンマッチに向け気合は十分で、準備も万全。前回禁止薬物頼りだった相手なのですから、今回は不正もできず力が落ちている筈です。山中が返り討ちにしてくれるのではないか・・・・ファンの期待は高まるばかりでした。


しかし前日の軽量で、ネリ陣営がとんでもない失態をやらかします。

 

既定の118ポンドを3ポンドも大きくオーバーしてしまったのです。これで試合を前にして、ネリの王座は剥奪です。勝てば山中は王者に返り咲く条件ではありましたが、またも公明正大なファイトではなくなりました。すっかり水をさされてしまいました。

 

試合


試合は前の試合以上に一方的でした。第1ラウンドにダウンを奪われた山中選手は、第2ラウンドに立て続けに3度のダウンを奪われ、レフェリーが試合を止めました。試合時のネリの体重は60.2キロ。


大して減量しなかった挙句のこの体重は、絞りに絞ってから戻した山中の59.2キロとは明らかに質も違います。ボクシングは体重がパンチ力に大きな影響を及ぼすので、非常に細かく階級が分けられているのです。こんなに大きな差があるハンディ戦では、まともな勝負とは言えません。遺憾でなりません。

 

試合後


山中は試合結果を潔く受け入れ、現役引退を表明しました。一方ネリ選手の方は山中がリングを降りた後もリング上で喜んだ態度を続けて、ファンの顰蹙をかいました。それどころか当日のコンディションは減量に成功した山中のほうが良かったとか、このままバンタム級に留まり続けて王座に復帰したいとか、また日本で試合したいとか言いたい放題です。


チャンピオンとは強いだけでなく、憧れの的であり、尊敬される存在でなければなりませんが・・・・とてもリスペクトできないですね。


さすがの山中もネリ選手を「人として失格」とコメントしています。

 

「神の左」とまで言われた偉大な王者のラストマッチになりましたが、遺恨が残り後味も悪いですね。もっときれいな形で飾ってあげたかったものです。