雑記だよ

日記です。

プロボクシング村田諒太涙のリベンジ、エンダムとの因縁の一戦を制する

10月22日、両国国技館で行われたボクシングのWBA世界ミドル級タイトルマッチで、村田諒太選(帝拳ジム所属)がアッサム・エンダム(フランス)に勝利し、タイトル奪取に成功しました。ロンドンオリンピック金メダリストの彼は、プロ転向後14試合目にして悲願のチャンピオンベルトを巻くことができたのです。

疑惑の判定

この両者の対戦は5月22日にも行われたのですが、その時は1-2のスプリット・デシジョンでエンダムが判定勝ちを収めています。この試合は中盤で村田がダウンを奪い、その後も的確なパンチで相手にダメージを与え続けたため、判定結果は大きな波紋を呼びました。WBAのメンドサ会長が判定を非難する異例のコメントを表明し、エンダムを指示した2人のジャッジは6カ月もの資格停止処分が下されたものです。今回の再選ではダウンこそ奪えなかったものの、一方的に村田が責め続け、7回終了後エンダムが試合を放棄する、明確な結末となりました。

村田のどこが凄いのか

そもそもミドル級は、日本ボクシング連盟で3番目に重いクラスです。日本人の感覚では重量級の感覚でも、体格の勝る欧米では「中量級」。世界チャンピオンになるどころか、世界の檜舞台で戦うチャンスさえ滅多に無い領域です。日本人で過去にミドル級の世界チャンピオンになれたのは22年前の竹原慎二選手ただ一人です。東洋人としても当時の竹原選手が46年ぶり2人目でしたから、以下に世界レベルで戦うことが難しいか判ります。

そんなミドル級で、オリンピック金メダルを獲得したことが、まず大変な偉業です。そして村田選手の凄いところは「元金メダリスト」という重圧と戦いながら白星を重ね、ついにプロの世界でも王者の称号を得たことですね。5月の敗戦の後、TV番組で彼の特集を観たことがあります。

ボクシング界では1つの敗戦が大きく選手の市場価値を下げてしまいます。エンダムに敗れたことで村田も相当落ち込み、悩んだそうです。しかし、試合の翌日にはエンダムを「友人」と呼んで2ショットの写真に納まるなど、判定そのものに不満を一切口にしません。世間は村田選手に同情的で、再戦のチャンスも現実的な状況にあっても、決して奢る様子もありません。非常に心の強い人ですね。

感心しました。

10月の試合の直後でも涙を流しながらも落ち着いてインタビューに答えていました。「ミドル級にはももっと強いチャンピオンが居る」というコメントに、慢心しない彼の人柄が表れていますね。

ともすれば乱暴な印象を受けるボクシングですが、村田選手を観ていると精神的に強く、賢い人間が強くなれるのだと思い知らされます。

村田選手の今後

ミドル級にはもう一人、WBC、WBO、IBF3団体の統一王者でゲンナジー・ゴロフキンというスーパー王者が居ます。彼との統一戦が実現すれば、莫大なファイトマネーが動くビッグマッチとなることは間違いありません。プロモーターのボブ・アラム氏の手腕にかかっていますね。

しかし、まずは竹原慎二選手も成しえなかったタイトルの防衛に成功してほしいですね。